「他人の物」 実際はよくないものでも、他人がもっているものとは、とても美化されて見えてしまうことがよくあります。 私の友達に、自由自在にゲップができる達人がいました。 たとえそれが腹ペコのときだろうが、ゲップを絶え間なく出せるのがその人の特技でした。 よく、ゲップを連呼させながら近寄ってきました。 なぜか私は、とてもうらやましく思いました。 いつもゲップばかりしているあの子のようにゲップがしたかったです。 ゲップはかっこいいと思いました。 しかし、今思うと当然のことながらできなくて良かったと思います。
また、他にも他人が食べているものとは本当においしそうな気がします。 たとえ、給食などで自分も同じ物をたべていようとも、他人が食べているほうがおいしそうに見えます。 自分の給食と見比べると、まるで自分の給食はよそってから2,3日たっているかのように見えてきてしまいます。 ただ、他人のものというだけで、美化されてしまうのです。 だから交換してもまた、他人のものがほしくなりそうです。 つまり、人間の欲望とは底なしだというわけです。
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